奈良の工房と職人 ー 伝統と革新が息づく、工房のものづくり ー
Our Definition of a WATCHMAKER
私たちが考える職人の定義
『職人』≠『芸術家』
職人は、芸術家とは異なります。
芸術家とは、自らの内なる感性や世界観を表現する存在です。時間にとらわれることなく、自分自身が納得のいくまで手を動かし、唯一無二の作品を生み出します。
その表現には強い個性と自由があり、見る人の心を動かす力があります。
一方で、ルノータスの職人は、“誰かのために”ものづくりを行う存在です。
お客様が誰かを思って贈る、あるいはご自身の節目に選ぶ、そうした「想い」に寄り添い、腕時計というかたちに仕上げていきます。
そのためには、単に部品を組み上げるだけではなく、「どんなシーンで贈られるのか」「どのような気持ちを託したいのか」を考えながら、一本一本丁寧に手を動かします。
正確で美しい仕上がりを実現するのは、職人として当然の責任です。
しかし私たちは、さらにその先を目指しています。
お求めやすい価格でご提供するために、品質を損なうことなく、限られた時間の中で完成度を高める努力を惜しみません。
そのために必要なのは、単なる経験や感覚ではなく、日々の工夫と技術の研鑽、そして「より良く、より速く」を追求する姿勢です。
私たちルノータスの職人は、常に「贈る人」「贈られる人」の笑顔を思い浮かべながら、手を動かしています。
それが、私たちの考える“職人”の姿です。

ハイレベルな組立設備
ルノータスのカスタムオーダーウォッチは、すべて自社国内工房にて組み立てを行っています。作業にあたる職人には、ISO 14644-1 Class6を上回る清浄度を誇る専用ワークベンチを割り当てており、これは通常の時計製造工程では使用されない、**半導体工場レベル(集塵効率99.97%以上)**のハイグレードな環境です。
高い清浄度を保つことで、微細なホコリの混入を防ぎ、外観や精度に優れた製品を実現しています。さらに、時分針の組込工程にはスイス製の自動化装置を導入。職人の技術と最先端機器を融合させることで、作業のばらつきを最小限に抑えつつ、高品質と短納期の両立を実現しています。

部品精度へのこだわり
ルノータスの時計づくりは、わずかな誤差も許さない部品精度の追求から始まります。ケース、針、文字盤といった各パーツは、数ミクロン単位での公差管理を行い、組み立て時に最適な噛み合わせとなるよう設計されています。とりわけ針やインデックスは、角度や面の仕上げにより光の反射が変化するため、寸法精度だけでなく美観に直結する繊細な加工が求められます。
奈良の工房では、金属加工の経験を積んだ職人が、専用の測定器やゲージを駆使し、工程ごとに数値で品質を確認。経験と数値の両面から精度を保証することで、操作感の確かさや視認性の美しさを実現しています。
一見すると表に出ない工程こそが、最終的な仕上がりの印象を左右する。私たちはその信念のもと、日々技術を磨き続けています。
製品検査の流れ
私たちの行っている検査項目は1本の腕時計で項目数は100以上となります。主要な検査の流れとなります

0. 組立前検査
お客様がご注文いただいたデザインを再度確認し、あらゆる視点で組立前に問題がないか、職人とウォッチコーディネーターが確認。

1. 外観検査(目視 + 拡大鏡)
ケースやガラス、文字盤、針などにキズ・ホコリ・ズレがないかを厳密にチェック。
拡大鏡や光学機器を使用し、微細な異物や気泡も見逃さない体制を構築。

2. 針位置・針飛び検査
時分秒針の取り付け角度・軸のズレを専用ゲージで確認。
自動針打ち装置導入後も、最終確認は職人の目でダブルチェック。

3. 時刻精度検査(クォーツ/機械式)
クォーツモデルは24時間以上の動作テストを実施。
機械式はタイムグラファーで日差(±秒)を測定し、基準外のものは再調整。
4. 防水性能検査
気圧式防水試験を実施(5気圧/10気圧/20気圧)。
ケース内部の圧力変化を感知し、防水不良を未然に防止。
5. 出荷前最終動作検査
各工程のチェックシートをもとに、最終通電・針の動作・カレンダー切り替えなどを確認。
ラッピング前にも異常がないか再確認し、万全の状態で出荷。