隕石を使用したルノータスのタイムピース

– メテオライトウォッチ –

惑星間空間にさまよっていた個体が約4億5千年前にスウェーデンで約100年前発見された隕石をムオニナルスタ隕石と呼ばれています。どのぐらいの間、宇宙の空間をさまよっていたかは全く想像もできません。きっと私たち人類が想像もできない程、長い間の出来事でしょう。そんな異彩を放つ物質を文字盤に使用した腕時計がルノータスの「メテオライトA904」です。

ルノータス メテオライト 隕石

隕石には壮大なストーリーとルノータスの挑戦がある

 限られたスイスマニュファクチャーの限定品にのみ使用されていた隕石を使用した文字盤を国産新興ブランドの我々ルノータスが隕石を使用した腕時計を製品化するまでには様々な障害がありました。前身となる金属加工会社の長年にわたる金属加工技術を持っていました。しかし、未知となる物質を扱うことは「挑戦」です。隕石の入手先、隕石の加工方法、製品化したのちの隕石の耐久性や維持方法、一つ一つクリアーすることからメテオライト・ウォッチの挑戦は始まりました。

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未知の物質を知り加工方法の模索

 隕石の入手は、一般的に精巧な模造品が多く作られる世の中で、より安全である方法に原石から仕入れる方法を取りました。しかし、コストを落とさなければいけない中、いかに無駄のない原石を入手できるかが一つのキーポイントとなります。通常の工業品鉱物は元素が一定でどの角度からカットしても一定の品質を保ちます。しかしながら、隕石は自然の鉱物であり、ダイヤモンドをカットする職人、「ジュエラー」のようにカットの角度や場所に創造性と確かな技術を持ち合わせている必要があります。隕石の文字盤は、一つ一つ様々な顔があり、同じ模様がない唯一無二の存在です。
 隕石を文字盤に使用するには0.4mmという非常に薄い厚さにカットする必要があります。ムオニナルスタ隕石は鉄分が非常に多く、比較的やわらかい為、金属の特性を熟知しているルノータスではさほど難しくはありませんでした。
隕石の表面に見られる独特な模様はウィドマンシュテッテン構造と呼ばれますが、切削時にはあまり大きく見られません。表面を特殊な溶剤で加工することにより浮き出る模様です。

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試行錯誤がもたらしたカラード・メテオライト

 隕石を文字盤に使用できる形状、そして質感を出すことを演出することは実現できました。しかし、この未知の物質は構成される多くは鉄分を多く含んでいる為、このままでは錆が出てしまい多くの時間を共に過ごせる腕時計として扱えません。切削し空気に触れたときから酸化(錆)は始まっています。意匠を保ちながら錆を防ぐコーティングを幾度になく行い最適な工法で施しました。一般によく見られるメテオライトのアクセサリーはシルバー鍍金を施した製品が多いですが、これでは隕石特有の質感が得ることはできません。ルノータスでは、コーティングを施していないかのような施工で石のような質感の文字盤を作り上げることを目標に開発しました。隕石の風合いを再現する為にはクリアーで透明感のあるコーティング技術が必要となります。このクリアーな透明感を利用したものが、隕石の風合いを保ちながらカラー着色したものがカラード・メテオライトです。透明感のあるシルバー、ブルー、ゴールドで隕石の質感を保ちながら、さらに独特な質感を表現しました。

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メテオライトに相応しいケーシング

 ルノータスがメテオライトモデルを発表して以降、クラウドファンディング等で様々なメテオライトモデルが発売されました。しかしながら、深い歴史を持った未知の鉱物に相応しい腕時計品質を持ったモデルは皆無です。ルノータスは国産のウォッチマニュファクチャーとして、最高の品質を持った腕時計としての価値を提供する為、腕時計の本体に904Lステンレス(スーパーステンレス)を使用しました。通常のステンレスに比べ高価なクロムを多く含み、腐食性に優れた素材です。切削は決して簡単なものではありません。しかし、ルノータスの技術では実現可能な技術です。

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